
翌日に残るかどうかは、運や体質だけで決まるわけではありません。二日酔いを防ぐ飲み方として一般に言われていることは、突き詰めると「体が処理できる速さを超えない」という一点に集約されます。ここでは、飲む前・飲んでいる間・帰ってからの三つの場面に分けて、一般的な知識として整理します。医学的な効果を保証するものではなく、体調や体質には個人差があるという前提でお読みください。
二日酔いが起きる仕組みをざっくり押さえる
一般に、体内に入ったアルコールは主に肝臓で分解され、途中でアセトアルデヒドという物質になり、さらに分解されて最終的に水と二酸化炭素になると説明されます。翌日の頭痛や吐き気は、このアセトアルデヒドが残っていることや、脱水、睡眠の質の低下などが重なって起きると考えられています。
ここで大事なのは、分解の速さは意思では変えられないという点です。だから対策は「速く分解する」方向ではなく、「入れる速さを落とす」方向に向かいます。世の中で言われている対策のほとんどは、形を変えた時間稼ぎだと考えると理解しやすくなります。
量と時間という二つの要素
酔いの深さを決めるのは、飲んだ総量と、それを何時間かけて飲んだかの掛け合わせです。同じ量でも、一時間で飲めば血中のアルコール濃度は一気に上がり、三時間かけて飲めばゆるやかな山になります。体は一定の速さでしか処理できないので、急に注ぎ込めばそのぶん未処理分が積み上がります。
飲む前に決めておくとよいのは「何杯まで」より先に「どのくらいのペースで」です。一杯を二十分かけて飲むと決めるだけで、同じ時間の滞在でも総量は自然と下がります。会話や歌が間に挟まる場では、グラスに手を伸ばす回数そのものが減るので、ペースは落ちやすくなります。カラオケを一曲歌っているあいだは、グラスが止まっている時間が生まれます。
チャージが時間無制限の店では、急いで飲む理由がないぶんペースを自分で決めやすくなります。時間で区切られる形式との違いは料金システムにまとめています。
水分をとるということ
アルコールには利尿作用があり、飲んだ量より多くの水分が体から出ていくことがあると一般に言われます。翌日の頭痛が脱水と結びつけて語られるのはこのためです。
よく勧められるのが「チェイサー」です。お酒と並べて置く水のことで、バーやスナックでは頼めば出してくれる店が多いものです。一杯飲むごとに水を一口はさむ、というだけで、飲むペースも自然に落ちます。水を頼むことは遠慮の対象ではなく、むしろ長く座っていられる飲み方です。お酒の合間にソフトドリンクを一杯はさんで小休止にする方法もあります。当店で出せるものはドリンクの一覧で確認できます。
寝る前と起きたあとの水分も、同じ理由でよく挙げられます。ただし一度に大量に飲むより、少しずつ分けてとるほうが体には負担が少ないとされています。
空腹で飲まない
胃が空の状態でお酒を入れると、アルコールの吸収が速くなると一般に言われます。逆に、何か食べてから飲むと吸収がゆるやかになり、血中濃度の立ち上がりが穏やかになります。
昔から「牛乳を飲んでから」「油ものを先に」と言われますが、特定の食品が膜を張って吸収を止めるという説明には根拠が乏しいとする見方もあります。確かなのは、胃に何かが入っている状態のほうが、アルコールが小腸へ流れ込む速度が落ちるという点です。特定の食品に頼るより、出かける前に軽く食事を済ませておくほうが現実的です。
スナックは食事を主目的とする業態ではないので、多くの店では乾きものや軽いおつまみが中心になります。二軒目として使うなら一軒目で食べているはずですが、一軒目から向かう場合は、何か口に入れてから出かけるのが無難です。二軒目として立ち寄るときの流れは二軒目としての使い方にまとめています。
度数の高い酒の扱い
同じ一杯でも、中身の度数はまったく違います。ビールやサワーと、ストレートのウイスキーや焼酎のロックでは、含まれるアルコールの量に差があります。「三杯しか飲んでいないのに」という感覚のずれは、たいていここから来ます。
割り方を変えられる酒なら、濃さは自分で決められます。水割りやソーダ割りを薄めにしてもらえば、杯数はそのままでも入る量は減ります。「薄めで」と伝えるのは味の好みの話であって、弱さの申告ではありません。
もう一つ知られているのが、複数の種類を混ぜるとひどくなるという話です。種類そのものが原因というより、味が変わることで飽きずに飲み続けてしまい、結果として総量が増えることが大きいと説明されることが多いようです。同じ酒を同じ濃さで続けるほうが、自分の量を把握しやすくなります。
帰ってからできること
寝る直前の一杯は寝つきをよくするように感じられますが、一般には睡眠の後半を浅くすると言われています。眠ったのに疲れが取れていない感覚は、これと関係があると考えられています。帰宅後は酒ではなく水にして、少し時間を置いてから休むほうが、翌朝の体は軽くなりやすいものです。
体質的にお酒を受けつけない自覚がある場合は、対策でどうにかなるものではありません。体調に不安があるときは医療機関に相談してください。
飲み方を整えることは、我慢することとは違います。ペースを落とし、水をはさみ、濃さを選ぶ。それだけで、同じ時間を座っていても翌日の体は変わります。西荻窪の地下で海の内装に囲まれて過ごす夜も、翌朝を潰さずに終われたほうが、次の一杯が楽しみになります。
なお、当店は喫煙目的店のため、20歳未満の方はご入店いただけません。
よくあるご質問
チェイサーは頼んでも大丈夫ですか
一般に、バーやスナックでは水を頼めば出してくれる店が多いものです。お酒と並べて水を置くのは珍しいことではなく、ペースを落として長く座るための飲み方として知られています。
空腹のまま行くとよくないのはなぜですか
胃が空だとアルコールの吸収が速くなると一般に言われます。何か食べてから飲むと小腸へ流れ込む速度が落ち、血中濃度の立ち上がりが穏やかになるとされています。
お酒の種類を混ぜると悪酔いしますか
種類そのものより、味が変わることで飽きずに飲み続けてしまい総量が増えることが大きいと説明されることが多いようです。同じ酒を同じ濃さで続けるほうが自分の量を把握しやすくなります。
薄めに作ってもらうことはできますか
割り方を選べるお酒であれば、濃さの希望を伝えれば調整できます。濃さの指定は味の好みの話であって、特別な申し出ではありません。
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監修: スナック ジュゴン公開

