
お酒の飲む順番には、昔から「軽いものから重いものへ」という目安があります。順番を守らないと悪酔いする、とも言われてきました。この記事では、その言い伝えがどこまで体の仕組みで説明できるのかを一般的な知識として整理します。
軽いものから始めるのは誰のための順番か
一般に、飲む順番の話は二つの理由が混ざって語られています。ひとつは味覚の問題、もうひとつは酔いの進み方の問題です。
味覚のほうは分かりやすい話です。度数の高いお酒や甘みの強いお酒を先に口にすると、舌がその強さに慣れ、あとから飲む軽いお酒の香りや酸味を感じ取りにくくなります。ビールの苦みや日本酒の含み香は、口の中がまっさらなうちのほうが分かる。コース料理が前菜から始まるのと同じで、弱い刺激を先に置くと、その日に飲むお酒の幅が広がります。
酔いのほうは少し複雑です。「軽いお酒から始めれば酔わない」わけではありません。体が受け取るのは純アルコールの量で、総量が同じなら順番が分解の速度を変えるわけではない、というのが一般的な説明です。それでも軽いものから始める習慣に意味があるのは、最初の一杯がその夜のペースを決めてしまうからです。
度数の違いが「一杯」の意味を変える
飲む順番を考えるうえで手がかりになるのが、お酒ごとの度数の幅です。同じ「一杯」でも、中身のアルコール量はまるで違います。
| 種類 | 一般的な度数の目安 |
|---|---|
| ビール | 5% 前後 |
| ワイン | 12% 前後 |
| 日本酒 | 15% 前後 |
| 焼酎 | 25% 前後 |
| ウイスキー | 40% 前後 |
ウイスキーをストレートで一杯飲むのと、ビールを一杯飲むのとでは、体に入るアルコールの量が数倍変わります。だからこそ度数の高いお酒は割って飲む形が定着しました。水割りやハイボールは薄める妥協ではなく、強いお酒を長く飲むための形式です。
一般に、度数の高いお酒をそのまま飲むと胃の粘膜への刺激が強く、逆に薄すぎても液体の量が増えて負担になると言われます。割って飲む習慣は、その間をとる経験則として広まったものです。割り方については焼酎のページでも触れています。
「ちゃんぽんは悪い」と言われてきた理由
種類を混ぜて飲むと悪酔いする、という言い方は根強くあります。ただ、混ぜたこと自体に害があるわけではない、というのが一般的な見解です。問題視されているのは、混ぜた結果として起きやすい二つのことです。
ひとつは、量が分からなくなることです。同じお酒で通していれば自分がどれだけ飲んだかを数えられますが、種類が変わるたびにグラスの形も度数も変わると合計が見えなくなる。飲み過ぎの多くは、この見えなくなったところから始まります。
もうひとつは、新しい味が入るたびに口がリセットされることです。同じお酒を飲み続けると人は飽きてペースが落ちますが、別の種類に切り替えるとその飽きが解除され、また最初の一杯のような速さで飲んでしまう。ちゃんぽんが悪者にされてきたのは、味の切り替えが休憩を奪うからだと考えると、納得しやすいはずです。
逆に言えば、量を把握できていれば、種類を変えること自体を避ける必要はありません。ビールで始めて焼酎の水割りに移り、最後に軽いものへ戻る。度数が上がってから下がる山型で、ちゃんぽんではあっても無理のない形をしています。
水を挟む習慣はどこから来たか
お酒の合間に飲む水は「チェイサー」と呼ばれます。もとは強い酒を追いかけて飲む水という意味で、ウイスキーやスピリッツを扱う店で定着した習慣です。日本酒の世界には「和らぎ水」という呼び方があり、こちらは酒席の合間に水を挟んで味を整え、体をいたわるという発想で語られてきました。呼び名は違っても、やっていることは同じです。
水を挟む働きは三つあります。口の中の味を流すこと、次の一杯までの間隔を空けること、利尿で失われる水分を補うこと。三つめは見落とされがちで、翌朝の不調は水分不足によるものも大きいと一般に言われます。
順番の話に引きつけるなら、水を「度数ゼロのお酒」として並びに入れてしまうのが分かりやすい方法です。一杯飲んだら水、と決めておけばペースは自然に落ち着きます。同じ狙いでソフトドリンクを途中に挟むのも珍しいことではありません。
締めの一杯をどう選ぶか
飲み終わりに何を飲むかにも、ゆるやかな型があります。一般的なのは、度数を下げて終える選び方です。強いお酒で締めると、そのアルコールが吸収されるのは店を出たあとになり、帰り道で急に酔いが回ることがあります。最後の一杯を軽くしておけば、帰る頃には体の状態がだいたい分かります。
もうひとつは、酒をやめて水やお茶で終える方法です。会計を頼んでから席を立つまでに水を一杯飲む。それだけで外の空気に当たったときの感じ方が変わります。
締めの選び方は、その夜の使い方でも変わります。一軒目としてゆっくり過ごすのか、二軒目として短く寄るのか。当店のチャージは時間無制限なので、時計に追われずに水を挟みながら進められます。カウンターは8席で注文は目の前で通るため、「薄めで」「次は水を先に」と伝えるのに構えは要りません。飲み物の種類はドリンクに一覧があります。
順番の話は結局、何を飲むかより、どう間隔を取るかという話に行き着きます。軽いものから始めるのも、水を挟むのも、締めを軽くするのも、狙いは体が処理できる速さに飲む速さを合わせることです。目安として覚えておいて、その日の体調に合わせて崩す。それくらいの付き合い方がちょうどいいのだと思います。
なお、当店は喫煙目的店のため、20歳未満の方はご入店いただけません。
よくあるご質問
飲む順番を守らないと本当に悪酔いしますか
一般に、順番そのものが分解の速度を変えるわけではないと説明されます。体が受け取るのは純アルコールの総量で、順番よりも飲む速さと量の影響が大きいとされます。軽いものから始める習慣が役立つのは、最初の一杯がその後のペースを決めやすいためです。
ちゃんぽんは避けたほうがいいですか
混ぜたこと自体に害があるという見解は一般的ではありません。問題になりやすいのは、種類が変わることで飲んだ量を数えにくくなることと、新しい味で口がリセットされてペースが上がることです。量を把握できていれば種類を変えること自体を避ける必要はありません。
チェイサーと和らぎ水は違うものですか
呼び名が違うだけで、やっていることはほぼ同じです。チェイサーは強い酒を追いかけて飲む水、和らぎ水は日本酒の席で合間に挟む水を指します。どちらも口の中の味を整え、次の一杯までの間隔を空ける役割があります。
途中でお酒をやめても問題ありませんか
問題ありません。水やソフトドリンクを挟むのは一般的な飲み方で、順番の中に度数ゼロの一杯を組み込むと考えると分かりやすくなります。当店でもソフトドリンクを注文できます。
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監修: スナック ジュゴン公開

