
「スナックに指名はあるのか」という疑問は、会計の心配から出てくることが多いようです。指名という言葉には誰かを選ぶ行為のイメージがつきまといますが、料金表の上ではもっと事務的なものです。指名は、伝票に載る項目のひとつとして扱われます。この記事では、指名という仕組みが何を指しているのか、なぜ店によって有ったり無かったりするのかを、会計の仕組みとして整理します。
指名とは席の割り当てを決める手続き
一般に、指名とは「誰が席につくかを客側が指定する」という手続きを指します。指定しない場合は店側が割り当てを決め、指定した場合はその希望に沿って割り当てる。この二通りのうち後者を選ぶと料金が加算される、というのが指名という仕組みの骨格です。
この仕組みが成り立つには前提があります。席につく人が複数いて、席ごとに担当が決まり、担当が時間で入れ替わること。つまり、誰がどこにいるかを店が管理していることが前提になります。人員の配置を管理表として持っている店であれば、そこに客側の希望を差し込むのは自然な発想です。逆に、そうした配置の管理がそもそも存在しない店では、指名という手続きを置く場所がありません。
指名にはいくつか段階があるとされ、その場で決める場合と、来店前から決まっている場合とで呼び分けや加算額が変わることがあります。ただしこれは料金表の細目が業態ごとに発達した結果であり、どの店にも共通する制度ではありません。
指名料は何に対する対価か
指名料は、伝票の上では席料や飲食代と並ぶ独立した項目です。なぜ独立しているのかというと、指名料の一部が担当者への配分に回る設計になっている店が多いためです。誰に何件の指名が入ったかを集計し、それを報酬に反映する。指名料という項目は、その集計の単位として機能しています。
つまり指名料は、客から見れば「希望を通すための料金」ですが、店の内部から見れば「配分を計算するための記録」でもあります。項目が分かれているのは、この二つの役割を同じ数字で兼ねるためです。会計の話として見ると、指名料が存在する店は、成果を個人単位で測る仕組みを持っている店だと言えます。
加算の単位も店によって違います。来店1回につき一度だけ加算する形、一定時間ごとに加算する形、セット料金の延長と連動する形。時間制の店では延長のたびに指名料も重なることがあるため、最初の見込みと最終的な金額が離れやすくなります。料金表で確認すべきなのは、指名料の金額そのものより、それが何回加算されうるかのほうです。
同じ理由で、指名の変更の扱いも店ごとに異なります。こうした細目は口頭の運用になっていることも多く、料金表に書かれていないことがあります。
指名を置かない店の運営
一方で、指名という項目を持たない店もあります。スナックとガールズバーの違いで触れたように、業態によって接客の組み立て方が違い、それが料金表の形にそのまま表れます。
指名を置かない運営では、席の割り当ては店側が決めます。カウンターであれば、席の並びと入店の順で自然に位置が決まり、担当という区切り自体を置かないこともあります。会話は場全体で進み、誰か一人がその席に固定されるという構造を取りません。
この形だと、料金表は席料と飲食代だけで完結します。加算の条件が少ないので、注文の前に合計を見積もりやすい。何をいくつ頼んだかを足せば、それがそのまま会計になります。スナックのチャージとはで説明したとおり、席料は席と時間に対する料金で、誰が接客するかとは切り離されています。
規模の面でも説明がつきます。席数が少なく、同時に店にいる人数が限られていれば、配置を管理する必要がそもそも薄い。指名という手続きは、選べる人数がある程度いて初めて意味を持ちます。当店はカウンター8席のみで、料金は料金システムに記載しているとおり、チャージと飲み物、カラオケの3種類です。
料金表で確認するときの読み方
店を選ぶとき、指名の有無は料金表を見れば分かります。確認するのは項目名です。「指名料」「本指名」「場内指名」といった行があれば、その店は指名を前提に会計を組み立てています。無ければ、席の割り当ては店側が決める運営です。
あわせて見ておきたいのが、加算条件を示す語です。「セット」「延長」「時間」といった言葉が料金表にあれば、滞在時間で金額が動きます。「1名あたり」だけで時間の記載がなければ、時間では動きません。この二つの軸、指名の有無と時間加算の有無を押さえると、その店の会計の形はおおむね読めます。
サービス料や税の扱いも見ておくと確実です。表示価格に含まれるのか、後から率で乗るのか。指名料にもサービス料が乗る設計の店もあります。項目ごとの金額だけでなく、何に何が掛かるかまで読むのが安全です。
業態を見分ける手がかりとしての指名
指名の有無は、その店がどういう業態に属しているかを示す手がかりでもあります。指名料や場内指名といった項目が並ぶ料金表は、担当制を敷き、個人単位で成果を測る仕組みを持つ店のものです。席料と飲食代だけの料金表は、場全体で時間を過ごす形の店のものです。
どちらが良いという話ではなく、何を買っているかが違います。前者では、特定の相手と過ごす時間を選んで買っている。後者では、その場所と時間を買っていて、誰が接客するかは会計に影響しません。事前に料金表を見て、自分が求めているのがどちらなのかを考えておくと、店選びで迷いにくくなります。
初めてスナックに行くときの流れははじめての方へにまとめています。料金の項目について分からないことがあれば、入店前に尋ねても差し支えありません。
なお、当店は喫煙目的店のため、20歳未満の方はご入店いただけません。
よくあるご質問
スナックに指名はありますか?
一般に、指名という項目を置く店と置かない店があります。料金表に「指名料」「本指名」「場内指名」といった行があれば指名を前提にした会計、無ければ席の割り当てを店側が決める運営です。当店の料金はチャージと飲み物、カラオケの3種類です。
指名料とは何の料金ですか?
一般に、誰が席につくかを客側が指定することに対して加算される料金です。伝票の上では席料や飲食代と並ぶ独立した項目で、一部が担当者への配分に回る設計になっている店が多いとされます。
指名料は何回加算されますか?
店によって異なります。来店1回につき一度だけの形、一定時間ごとの形、セット料金の延長と連動する形があります。時間制の店では延長のたびに重なることがあるため、金額より加算回数の条件を確認すると見込みが立てやすくなります。
指名がない店では席はどう決まりますか?
一般に、店側が割り当てを決めます。カウンターの店では席の並びと入店の順で位置が決まり、担当という区切り自体を置かないこともあります。
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監修: スナック ジュゴン公開

