
「スナック」と「キャバクラ」は、どちらも夜に酒を出す店として並べて語られがちです。ただ、店の作り方も料金の組み立ても違います。接客スタイルの違いを軸に、それがどこから来ているのかを制度と歴史の側から整理します。
法律上の区分が違う
一般に、この二つを隔てているのは風営法です。キャバクラは「接待飲食等営業」の許可を受けて営業する業態にあたります。ここでいう「接待」とは、法令上、客の席について歓談したり、酒を注いだりすることを指すとされます。人が席に着くこと自体が、営業の中身として定義されているわけです。
一方でスナックは、多くがカウンター越しに酒を出す飲食店営業です。店の側の人間は原則としてカウンターの内側にいて、客席に着席しない。この線引きは、接客が親密かどうかという感覚の話ではなく、席の配置と業務の形に関する制度上の区別です。
営業できる時刻にも差が出ます。一般に接待飲食等営業は深夜零時以降が認められないのに対し、飲食店営業は条例の範囲で深夜も営業できます。スナックが終電後まで開いていることがあるのは、この違いによるところが大きいと言えます。
カウンター越しか、テーブルに着くか
制度の違いは、そのまま間取りに現れます。キャバクラは客のテーブルに人が着く前提で作られるため、ボックス席が並び、区切られた空間が増えます。個室やVIPルームが置かれるのも同じ理屈です。
スナックはカウンターが主役になります。カウンターは客と店の間に一本の線を引く家具で、同時に、隣り合った客同士を横並びにする家具でもあります。正面から向き合わないので視線がぶつからず、話に加わるのも黙っているのも選べます。配置そのものが体験の輪郭を決めています。
当店もコンセプトのとおりカウンター8席のみで、テーブル席や個室はありません。内装は海がテーマで、白い石目のカウンターに青い波模様の壁、水色・白・薄紫の椅子。地下ですが床と天井が白く、暗さはありません。
料金の組み立て方が違う
キャバクラは一般に「セット料金」を基本にします。四十分、六十分といった時間の枠を買い、延長すると枠が加算される方式です。これに指名料、キャストドリンク、サービス料が積み上がるため、明細の項目は多くなります。席を回転させ、誰が何分ついたかを計算するのに向いた仕組みです。
スナックは席料としての「チャージ」を置き、あとは飲んだ分を足していく店が多い業態です。当店の場合、チャージは1名4,000円で時間無制限、女性は1,000円引き、サービス料はありません。
紛らわしい言葉の違いは「チャージ」とはで整理しています。時間を買っているのか席を借りているのかで、店内での過ごし方は変わります。
指名という仕組みの有無
キャバクラには指名制度があります。誰が席につくかを客が選び、その選択が料金に結びつく。本指名、場内指名といった用語の細かさは、この仕組みが運営の中心にあることの裏返しです。
スナックには一般に指名の仕組みがありません。席順は空いているところ、話す相手はその日そこにいる人になります。選ぶ手続きがないぶん、誰を選ぶか考えずに座れるとも言えます。詳しくは「指名」という仕組みがある店とない店へ。
それぞれの成り立ち
一般に、キャバレーは戦後の日本で大型のダンスホールとして広がり、そこからバンド演奏などの設備を省いて小型化したものが「キャバクラ」と呼ばれるようになったと説明されます。名前自体がキャバレーとクラブを縮めた語で、1980年代に定着したとされます。大人数のキャストが席を回る形は、その出自の名残です。
スナックの語源は「スナックバー」、つまり軽食を出す店です。深夜の酒類提供に規制が入った時期に、食事を出す飲食店の形をとって営業した店が広まったという経緯が知られています。カウンターの向こうに立つ人がいて、軽い食べ物があって、客は長居する。この形が、のちにカラオケ機器の普及と結びつきました。
片方は大型店の縮小形、もう片方は軽食店の延長。出発点が違うので、中身が揃わないのは自然なことです。
カラオケが時間の流れを変える
スナックの多くにはカラオケがあります。単なる設備ではなく、時間の作り方を変える装置です。誰かが歌っている間、会話は途切れてよいことになる。沈黙を埋める義務がなくなるため、話すのが得意でなくても席にいられます。歌わずに聞いているだけでも構いません。
何を基準に選ぶか
相手を決めて時間を区切って過ごしたい日は、キャバクラの仕組みが噛み合います。誰が席につくか、どれだけいるかが明示され、予算も時間で見積もれます。
会計を単純にして終わりを自分で決めたい日は、スナックが向きます。時間無制限のチャージなら、一杯で帰っても終電まで粘っても、席にかかる額は変わりません。人数が少ない日も差が出ます。二人や三人だとボックス席は余りますが、カウンターは一人でも三人でも同じように収まります。スナックとバーの違いと読むと、夜の業態の地図が細かくなります。
支払いと入店の条件
当店はカード・電子マネー・交通系ICに対応しているので、現金を用意せずに寄れます。年齢確認は業態を問わず求められると考えておくのが無難です。当店は喫煙目的店にあたるため、酒を飲むかどうかにかかわらず20歳未満は入店できません。営業は21:00からLASTまで、毎週水曜が定休です。
2020年の開店で、JR中央線・総武線の西荻窪駅から徒歩1分、地下1階。入口には青い電飾看板が出ています。
なお、当店は喫煙目的店のため、20歳未満の方はご入店いただけません。
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監修: スナック ジュゴン公開 / 更新

