
東京でスナックを探すとき困るのは、店の数そのものです。静かに飲みたいという条件を足したとたん、どこから見ればいいのか分からなくなります。ここでは静かな夜を前提にした絞り込み方を整理し、そのうえで西荻窪の「スナック・ジュゴン」がどういう店かを説明します。
静かな店を探すときは、街から絞る
一般に、店単位で探すより街単位で絞ったほうが早く着きます。繁華街の規模と夜の音量は、おおむね比例するからです。大きな街は選択肢が広い反面、駅前に人が滞留し、隣の店の音が漏れてきます。店を見比べているだけで一時間が過ぎる、ということも起こります。
一方、乗り換えの拠点ではない駅は夜の性格が違います。飲食店の数は限られますが、範囲が狭く、端から端まで歩いても十数分で収まります。通りすがりの客を大量に集める設計の店が少ないため、一組あたりの滞在が長くなりやすい。静けさを条件にするなら、この規模の街から見たほうが外れにくくなります。
中央線でいえば、新宿から西へ向かうにつれて街の性格が段階的に変わっていきます。街ごとの違いは中央線沿線のスナック文化にまとめました。
建物の階と席数も手がかりになる
街を決めたあと、もう二つ手がかりがあります。階数と席数です。
路面の一階は通行人から中が見え、扉が開くたびに外の音が入ります。集客には有利ですが、落ち着いて座る目的には向きません。地下や空中階は階段という一手間があるぶん、たまたま入ってくる人が少ない。夜の商業ビルの地下に小さな店が集まるのは、家賃の事情だけでなくこの向き不向きの結果でもあります。
席数はもっと直接的です。三十席の店は三十人ぶんの声が同時に鳴りますが、十席に満たない店ではそれが起きません。個室のない店は音が回ると思われがちですが、席数が少なければそもそも音源が少ない。カウンターという席の成り立ちはカウンター席で書いています。
業態の違いを知っておくと迷わない
夜の飲食店は名前が似ていても、制度と料金の組み立てが違います。
一般に、バーは酒そのものを主役にした業態で、席料を取らないかわりに一杯ごとの単価に費用が乗ります。スナックは席料(チャージ)を先に置き、そのうえで飲み物を頼む形が多い。スナックは法律上の分類ではなく通称で、カラオケの機械が置かれているのもこちら側に多い業態です。
この違いは滞在時間の感覚にも出ます。単価に乗る形式では飲む量がそのまま会計になり、席料を先に置く形式では席にいること自体の費用が先に確定します。どちらが読みやすいかは人によります。詳しくはスナックとバーの違いとチャージとはをご覧ください。
スナックという業態が生まれた背景
一般に、スナックという業態は1960年代半ばに広まったとされています。深夜に酒類を出す営業には制約があり、軽食(スナック)を出す飲食店という形で夜の営業を成り立たせた、という説明がよく知られています。店名に「スナック」と付く店が全国に増えたのはこの時期です。
カウンター越しに店を回す形も、この成り立ちと関係しています。厨房と客席を分けず、注文から会計まで一つの場所で完結させれば小さな面積で営業できる。八席や十席という規模は、その設計から出てきた数字です。
カラオケが入ったのは1970年代以降、機械が小型化して個人商店にも置けるようになった時期と重なります。一曲ごとに料金を取る方式が残るのは、当時のコイン式機械の課金の名残です。
ジュゴンの場合
当店は西荻窪駅から徒歩1分、地下1階にあります。中央線と総武線が停まる駅で、新宿からは十数分です。乗り換えの拠点ではないので、駅前に人が滞留しません。
席はカウンター8席のみで、テーブル席も個室もありません。内装は海をテーマにしています。白い石目のカウンター、青い波模様の壁、水色・白・薄紫の椅子。背後にはガラスのボトル棚が青く光っています。地下ですが床と天井が白いので、思ったより明るい。入口には青い電飾看板が出ています。2020年のオープンです。
チャージは1名4,000円で時間無制限、サービス料はありません。女性は1,000円引きです。カラオケは1曲200円。カード・電子マネー・交通系ICが使えます。営業は21:00〜LAST、毎週水曜が定休です。
一人で来る場合
カウンターだけの店は、一人客にとって座りやすい構造です。二人掛けのテーブルに一人で座ると空席が目立ちますが、カウンターは一席が単位なので席が余りません。
歌わなくても構いません。カラオケのある店では歌うのが義務のように思われがちですが、注文して飲んで帰る、で完結します。一人で入るときの間合いは一人でスナックへに書きました。
終電と帰り道
帰り方を先に決めておくと滞在が楽になります。中央線・総武線の西荻窪は、都心方面にも三鷹・吉祥寺方面にも終電が遅くまであります。逃した場合の選択肢は終電・帰り方にまとめました。
飲み物のラインナップはドリンクガイドをご覧ください。西荻窪という街そのものについては西荻窪の魅力に書いています。
なお、当店は喫煙目的店のため、20歳未満の方はご入店いただけません。
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監修: スナック ジュゴン公開 / 更新

