
飲み屋に行くのに、お酒を飲まない。これは我慢でも遠慮でもなく、ひとつの選び方です。体質で受けつけない、薬を飲んでいる、翌朝が早い、車で来た、単に今日は飲みたくない。スナックでソフトドリンクを頼むことも、珍しい行動ではありません。この記事では、飲まない夜に何をどう選ぶか、炭酸の有無で何が変わるか、飲まない人が居心地よく過ごせる店にはどんな条件があるのかを整理します。
「飲めない」の中身はひとつではない
ひとくちに飲めないと言っても、背景は分かれます。日本人のおよそ四割は、アルコールの分解過程で生じるアセトアルデヒドを処理する酵素(ALDH2)の働きが弱い、あるいはほとんど働かない体質だと言われています。遺伝で決まるもので、訓練で変わりません。少量で顔が赤くなる、動悸がする、頭が痛くなるといった反応は、体が処理しきれていない合図です。
体質に関係なく飲めない日もあります。服薬中、健康診断の前日、翌日に運転や試験が控えている日。こうした事情は外から見えないので、席についた最初に「今日は飲まないので」と伝えてしまうのがいちばん早い。理由を説明する必要はありません。
かつての宴席には、飲めない人に無理に飲ませる文化が残っていました。現在ではアルコール・ハラスメントという言葉が定着し、飲酒の強要は問題行為とされています。飲まないと伝えることに引け目を感じなくていい、という前提がようやく共有されつつあります。
ソフトドリンクをどう選ぶか
多くのスナックに置かれているソフトドリンクは、そう複雑ではありません。ウーロン茶や緑茶などのお茶類、コーラやジンジャーエールといった炭酸、オレンジなどの果汁系、そしてノンアルコール飲料。何が並ぶかは店ごとに違うので、最初にメニューを見せてもらうのが確実です。
選ぶときの基準は「何時間そこにいるか」です。一杯で終わるなら好きなものでいい。二時間、三時間と話すなら、甘さと酸味が強いものは途中で飽きます。果汁系は一杯目に向きますが、続けると口の中が重くなる。お茶類が長丁場で選ばれやすいのは、味が邪魔をせず、何杯飲んでも印象が変わらないからです。
ノンアルコール飲料は、この十年ほどで選択肢が大きく増えました。ビールテイストのものは苦味と炭酸で「飲んでいる感じ」をよく再現しますし、ノンアルコールのジンを使ったカクテル(モクテル)を出す店も増えています。ただしノンアルコールの表示でも、日本の酒税法上は一パーセント未満なら酒類ではないため、微量のアルコールを含む製品と完全にゼロの製品が混在しています。運転する日や体質的に受けつけない場合は、アルコール分〇・〇〇パーセントと明記されたものを選ぶのが安全です。顔ぶれの一覧はソフトドリンクのページにまとめています。
炭酸とそうでないもので変わること
炭酸の利点は、まず乾杯が成立することです。乾杯する場面で、中身が何かは誰も見ていません。刺激が一口ごとに区切りをつくるので、飲むペースも自然にゆっくりになります。ジンジャーエールの辛口は生姜の辛味が強く、甘さが後に残らないので、長い時間なら辛口が向きます。
一方で炭酸は満腹感をつくります。二杯、三杯と続けるとお腹が張って、それ以上入らなくなる。時間とともに抜けるので、話に夢中でグラスを置いたままにすると、後半は甘い液体だけが残ります。
炭酸でないものはこの逆で、何杯でも入るかわりに、場の高揚感には寄与しません。現実的な落としどころは、一杯目を炭酸で始めて、二杯目以降をお茶に切り替える頼み方です。ひとりで座るときの過ごし方はおひとり様の案内でも触れています。
運転する日と、翌朝が早い日
車で来ているなら、判断はひとつです。飲酒運転は道路交通法で禁じられ、酒気帯び運転は呼気一リットルあたり〇・一五ミリグラム以上が検出された時点で成立します。酔った感覚があるかどうかとは無関係で、本人の体感は基準になりません。同乗者や車を提供した人にも罰則が及びます。
翌朝が早い日も似ています。分解速度には個人差がありますが、一般に体重六十キロの人がビール中瓶一本を処理するのに三時間から四時間かかると言われます。深夜に何杯か飲めば朝まで残る計算で、二日酔い運転が問題視されるのもこのためです。
こうした日にスナックへ行くこと自体は矛盾しません。歌う、話を聞く、街の話題を仕入れる。酒がなくても目的は成立します。カラオケの案内にもあるとおり、歌うのに酒は必須ではありません。むしろ素面のほうが音程は安定します。
飲まない人が居やすい店の条件
ひとつは、会計の仕組みがはっきりしていること。飲んだ量で総額が大きく動く方式だと、飲まない人は「安く済ませて申し訳ない」という負い目を抱えます。入店時に必要な額がわかるなら、何を飲むかは純粋に好みの問題になります。当店は時間無制限のチャージ制なので、ソフトドリンクだけで過ごしても構いません(料金の透明性)。
ふたつめは、注文を急かされないこと。グラスが空いた瞬間に次を勧められる店では、飲まない人ほど落ち着きません。
みっつめは席の作りです。カウンターだけの小さな店は、テーブルを囲む飲み会と違って全員が同じ方向を向いているので、手元の飲み物が話題になりにくい。はじめてのご来店に書いたように、最初に伝えておけばあとは普通に過ごせます。
飲まない夜は、飲む夜の劣化版ではありません。記憶がはっきり残るぶん、その日の会話も歌もよく覚えている。それはそれで悪くない過ごし方です。
なお、当店は喫煙目的店のため、20歳未満の方はご入店いただけません。
よくあるご質問
お酒を飲まなくてもスナックに入れますか
はい。ソフトドリンクだけで過ごせます。席についた最初に「今日は飲まないので」と伝えておけば、あとは普通に過ごせます。理由を説明する必要はありません。
ノンアルコール飲料ならアルコールは入っていませんか
日本の酒税法では一パーセント未満なら酒類ではないため、ノンアルコール表示でも微量のアルコールを含む製品があります。運転する日や体質的に受けつけない場合は、アルコール分〇・〇〇パーセントと明記されたものを選んでください。
長く話すときはどのソフトドリンクが向きますか
甘さや酸味が強いものは途中で飽きるため、お茶類が長丁場では選ばれやすい飲み物です。一杯目を炭酸で始め、二杯目以降をお茶に切り替える頼み方も現実的です。
ソフトドリンクだけだと料金で気まずくなりませんか
入店時に必要な額がわかる会計方式であれば、何を飲むかは好みの問題になります。当店は時間無制限のチャージ制なので、ソフトドリンクだけで過ごしても構いません。
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監修: スナック ジュゴン公開

